長椅子と本棚2

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はてブ新デザインをどうすれば使いこなせるか考えてみた

 はてブの新デザインがものすごい不況を買っている。しかし、変わってしまったものは仕方ないので、どうすれば快適に使いこなすことができるか、頑張って考えてみた。

 ところで、新デザインについて、はてな側からは、「今どういうことが起きているか、“面”として大まかに把握できるデザイン」というキーワードが提示されている(ユーザーの反応に「完全に狼狽した」 はてなブックマーク、リニューアルの意図と背景 (1/2) - ITmedia ニュース)。しかし、「面として把握する」とは何をすることなのか。なぜこれが受け入れられていないのか。以下では、この「面」という漠然としたキーワードを具体化することを試み、これを通じて、「新デザインの使い方」を考えてみたい。

新デザインへの拒絶反応とその理由

 まずは、新デザインに対する拒絶反応を見ておこう。これを裏返したところに、新デザインの正しい使い方があるからだ。

 まず、「はてなブックマークのリニューアルがいけてない5つの理由 - enactor's blog」で挙げられている理由のうち、一番目の理由に着目したい。

(1)可読性、一覧性の喪失
とりあえず見づらい。「モダン」(らしい)デザインを強調したいと思うんだけど、
はてぶユーザー数をアソコまで巨大に出す必要があるのか?
小さめのディスプレイでトップをぱっとみた時に、記事が一つしか見えない。
しかも人気の記事は、タイトルのフォントが大きくなってるため、折り返しになり、
これもまた見づらい。


 これらのうち、「小さめのディスプレイでトップをぱっとみた時に、記事が一つしか見えない。」という問題については修正されている。*1。しかし、それ以外は現在でも残る特徴を言い当てていると言えるだろう。批判の中心は、「記事タイトルを読みたいのに、それが読みづらく、はてブユーザー数だけが見やすく表示されている」というものだ。

 もう少し最近の、「Open ブログ: ◆ はてブの新デザインが失敗した理由」では、より詳しく問題点が列挙されている。

文字を読まずに、画面全体のデザインだけを見てほしい。すると、デザインとしては、とてもきれいなデザインだとわかる。


  ・ USERS の数字が、デカくて、カラーで、きれい。
  ・ USERS の数字が、2種類に色分けされて、きれい。
  ・ 文字は黒で、枠線がカラーで、きれい。
  ・ コメントのアイコンの絵があって、カラフルで、きれい。
  ・ 右の枠でも、USERS の数字が、きれい。(デカくて、カラーで、色分けされている。)
  ・ 右の目立つ位置に画像があって、きれい。 


 このことからわかるように、「見た目」はとてもきれいだ。
 一方、「見た目」ではなく、「情報を読むという目的」からすると、不便なことこのうえない。


  ・ USERS の数字が、デカくて、カラーで、邪魔。
  ・ USERS の数字が、2種類に色分けされて、苛立つ。
  ・ 肝心のタイトル文字が黒で、目立たない。
   そのくせ、枠線がカラーで、無意味に目立つ。
  ・ コメントのアイコンの絵があって、カラフルで、邪魔。
  ・ 右の枠でも、USERS の数字が、目立ちすぎて、邪魔。
  ・ 右の目立つ位置に画像があるので、タイトルが折れる。(折り返しになって、見づらい。)


 ここで列挙されている特徴は、もっとまとめると以下の二つに集約されるだろう。

  • USERSと画像が目立つ。
  • タイトルが目立たない。

 これらの指摘は正しい。しかし、問題なのは、なぜこの二つがこんなにも不評なのかということである。ヒントになるのは、元の記事が、ここから「見た目はきれいだが情報は見づらい」と結論していることである。上の二つの特徴からこの結論を導くためには、もうひとつ、あることを前提しなければならない。それは、「タイトルこそが必要な情報で、ユーザー数や画像は必要な情報ではない」ということだ。

  1. タイトルこそが必要な情報で、ユーザー数は不要な情報だ
  2. 新デザインではタイトルが目立たず、ユーザー数が目立つ

この二つの前提から、「新デザインは使いづらい」という結論が出てくるのは当然である。

求められる「発想の転換」

 実は上で述べたことに、新デザインの正しい使い方を知るための重大なヒントが隠されている。新デザインを快適に見るためには、一番目の前提、「タイトルこそが必要な情報で、ユーザー数は不要な情報だ」という前提を捨ててしまえばよいのだ。そして、発想を逆転させるべきである。

 つまりこういうことだ。新デザインを快適に使いこなすためには、

  • タイトルこそが必要な情報で、ユーザー数は不要な情報だ

という発想を捨てて、

  • ユーザー数こそ重要な情報で、記事タイトルは二の次

という発想を身につけるべきなのだ。これが、この記事のタイトルに掲げた、求められる「発想の転換」である。タイトルを読む前にユーザー数をチェックする癖をつける。これだけで、はてブ新デザインはぐっと使いやすく見えてくる。

 上に示した発想を応用すると、次のような使い方が見えてくる。

  1. まず全体をざっと眺めて、ユーザー数の多い記事の検討をつける。このとき、記事タイトルを読んではいけない。
  2. ユーザー数の多い記事について、記事タイトルを読んでみる。
  3. 記事タイトルに興味が湧けば、本文を開く。

 ただし、上はあくまでも一例である。いつもユーザ数の多い記事ばかりを読むべきだというわけではない。時間のあるときにはだんだんとユーザー数の少ない記事へと目を移していくことになるだろうし、逆にわざとユーザー数の少ない記事をチェックして悦に入る、という使い方もできるだろう。しかしいずれにしても、初めは記事タイトルを読まずにユーザー数だけに着目する、ということが重要だ。

まとめ

 新デザインは、「タイトルこそ第一、ユーザー数はおまけ」という発想を取らず、「ユーザー数が第一、タイトルは第二」という発想のもとに作られている。この発想を受け入れられるか否かという点が、今回のデザインを受け入れられるか否かを決める最大のポイントなのではないだろうか*2

*1:ユーザーの反応に「完全に狼狽した」 はてなブックマーク、リニューアルの意図と背景 (2/2) - ITmedia ニュース」中段の画像を参照。

*2:なお、ここに書いた方法を意識してはてブを見るようにしてみたところ、特に使いやすくはならなかったもよう。どうしてもタイトル読んじゃう。でもタイトル1行めで気になる記事がどうか判断して、気になる記事以外は2行目以後を読まないように意識すると少し早く見渡せるかも。